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晶馬受中心に、掌小説にすらならない指先小説やネタを放置する場所。
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うめ
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女性
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どうしようもない場所から来た何者にもなれない存在。晶馬くんが幸せならいいな!とか言いながら他の人の手を借りて彼を泣かしたりボコったりしている。支部でもちょこちょこ書いてます。呟きは@umeeee02
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お久しぶりです、こんばんは!夏コミではありがとうございました!一冊一冊買っていってくださる方がいらっしゃって喜びのあまり死ぬかと思いました。をんさんの表紙と漫画のお陰です。

今日はぶらこん!の5話目です。陽毬視点の日記の感じで。私は冠葉をどこに向かわせたいのだろう……

 開いたノートの表紙はペンギン。これは私の日記帳だ。しっかりと鍵をつけて、いつもは机の一番上の引き出しの中にしまってる。一日の終わりにそこから出して、今日の出来事を綴るのだ。
 今日はちょっと前の日記を読んでみよう。まだ真っ白なままのページを逆に捲り、過去の出来事を振り返る。
 
○月×日
 今日は晶ちゃんと一緒にアニメ映画『時をかける少女』を見ました。あの映画を見ると夏が来るのが楽しくなります。晶ちゃんは今日が初めての時かけで、ワクワクしてました。元々アニメを見ないから、という理由もあったんだと思います。
 思った通り、晶ちゃんは泣きました。目を真っ赤に腫らし、白い頬の上を涙が何度も何度も伝っていきました。部屋の明かりでキラキラと輝きながら服に落ちてしみこんでいきます。冠ちゃんならモッタイナイと思ったでしょう。
 晶ちゃんが「ちあきーちあきー」と愛しい人の名前を呼ぶように彼の名前を言ったとき、冠ちゃんが帰ってきました。冠ちゃんは晶ちゃんの泣き顔を見てカバンを床に落とすと、無音カメラで晶ちゃんの泣き顔を撮影してから「どうしたんだ」と抱きしめました。すると、晶ちゃんは「ちあきが、ちあきが」と画面を指しながら言います。そこにはすでに真っ青な空に浮かぶ入道雲が。それだけですぐ、冠ちゃんは私達が何を見たのか分かったようでした。彼はDVDデッキに歩み寄ると、ホームボタンを押してDVDを出しました。それを晶ちゃんは首をかしげながら、私は晶ちゃんの頬をタオルで拭きながら見守ります。
 冠ちゃんは、出てきたDVDを割りました。まるでパピコを折るときのように膝で割りました。
 そして真っ二つに割れたDVDをぺいっと床に落とし「晶馬を泣かせるな」と見下します。私と晶ちゃんはそんな冠ちゃんをしばらくの間見つめてました。二人とも無言で。冠ちゃんが私達のところにきて「晶馬、今濡れたタオルを持ってくるからな」と言った時、ようやく私たちは動けるようになりました。
 晶ちゃんはものすごく怒りました。「何でああいうことしたの!?」「あれ借り物だからね!?レンタルだよ!?」「もう一度見たかったのに!」「馬鹿!」でも冠ちゃんはわけが分からないと言った感じでソファに座っていました。私はその横で『サマーウォーズ』を読んで、次はこれを見ようと決意しました。
 ちなみにあのDVDはいつの間にかやってきたお母さんが「危ないわねえ」と言ってほうきとちりとりで回収していました。冠ちゃんのお小遣いから弁償するそうです。あれ、いくらするんだろう。とりあえず、今日の晶ちゃんも可愛かったなあ。
 
△月○日
 今日は冠ちゃんと一緒にドンキに行きました。晶ちゃんはお母さんに新しいお料理を教わるとかでお留守番。「最近、晶馬が緑色のパジャマを愛用していると思わないか」「そうだね」「だから、あれとこれを入れ替えるんだ。どう思う?」そう言って差し出してきたのはピカチュウの着ぐるみみたいなものでした。私は大きく頷き、同意します。晶ちゃんがピカチュウ……ショウチュウ!なんかお酒みたい。ええと、ピカショウ?うん、これにしよう。ええと、晶ちゃんがピカショウなんて可愛いと思ったのです。可愛いものと可愛いものを掛け合わせたらとても可愛いものになるに決まってます。ワクワクしながらそれを買って、晶ちゃんに気付かれないようにそっと変えておきました。他にもトラやウサギやクマのも買って、晶ちゃんの今まであったパジャマと交換してきました。今まであったやつは冠ちゃんが密封保存すると言っていたので任せようと思います。
 その日の夜、晶ちゃんはわけが分からないといった顔をしてピカショウになりました。すっごく可愛かったです。これはもう世界遺産に登録していいと思うくらいの可愛さでした。冠ちゃんはその可愛さに耐え切れず鼻血を出し、晶ちゃんの膝の上でごろごろしています。それでも血がつかないように配慮しているのだから、流石としか言いようがありません。
 その後、仕事から帰ってきたお父さんがピカショウを見て「君のトレーナーは誰だい?」と聞いたのに対して、「俺だ!」とドヤ顔で言った冠ちゃんを晶ちゃんが腫れ物を見るような目で見ていたことがとても印象的でした。
 
×月△日
 今日は冠ちゃんが変態みたいだなぁと思った日でした。と言うのも、休日の朝珍しく早く起きて晶ちゃんの部屋を覗くと、冠ちゃんがベッドの上ですんすん鼻を鳴らしていたからです。最初は泣いているのかなと思い声をかけると「おはよう陽毬」と普通に振り返ったので、さっきのは何の音だったのか気になりました。それで聞いてみると「晶馬の匂いを嗅いでいたんだ」とドヤ顔で言われて、私はどうしたらいいのか分からなくなりました。とりあえず晶ちゃんはどこにいるのか聞いてみると、既にキッチンでお母さんと朝ごはんを作っていると言ったので、私はキッチンに向かいました。あれ以上何かを聞いてはいけないと思ったのです。
 冠ちゃんの言う通り、晶ちゃんはパスタを作っているところでした。私は冠ちゃんのことを言おうか言わないか悩んで、結局言わないことにしました。きっとあれは気のせいだったんです。あれはきっと気のせい、気のせいです。
 今日はこのことばかりずっと考えていました。なので書くことがあまりありません。
【追記】
 次の日もスーハーしてた。冠ちゃん、どうしたんだろう?
 
◎月×日
 お夕飯の時にテレビでやってた懐メロ特集で「木綿のハンカチーフ」が流れた時、冠ちゃんは晶ちゃんを見ながら「俺はお前を置いていったりしない。お前が嫌がっても連れて行くからな」と真面目な顔で言っていました。冠ちゃんならやりかねないと思います。晶ちゃんも私と同じことを思ったようで「じょ、冗談だよね?」と言いながらも震えていました。だけど、冠ちゃんはお母さんに同意を求めます。「いいよな、母さん。俺、晶馬から離れたら生きていけないと思うんだ」「そうね、冠葉は晶馬のこと大好きだものね」「ああ」「じゃあ、冠葉がいずれ年商一億稼いでお母さん達を楽させてくれるって約束してくれるなら許してあげるわ」「分かった」え、分かったんだ。すると、お父さんが言いました。「そうか、それじゃあお父さん楽になれるなぁ」「ああ、任せといてくれよ。な、晶馬」お父さんに声をかけられた晶ちゃんは、何も反応する事無く、ただただお夕飯のオムライスにかかっているケチャップを一心不乱にのばしていました。お父さんは「何だ、晶馬は照れ屋さんだなぁ」と言っていましたが、それはちょっと違うと思います。でも、お金持ちになったら猫飼えるかなぁ。そう思うと冠ちゃんを応援せずにはいられません。頑張ってね、冠ちゃん。
 
 改めて思ったけれど、私の日記の中にはたくさんの晶ちゃんと冠ちゃんでいっぱいだ。二人といて楽しくない日なんてありえない。
 さて、今日は何を書こうかな。

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