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晶馬受中心に、掌小説にすらならない指先小説やネタを放置する場所。
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うめ
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女性
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どうしようもない場所から来た何者にもなれない存在。晶馬くんが幸せならいいな!とか言いながら他の人の手を借りて彼を泣かしたりボコったりしている。支部でもちょこちょこ書いてます。呟きは@umeeee02
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冠晶でモブ晶。例の「悔いて悔いて晶馬に謝れバ冠馬」作戦の冒頭。
晶ちゃんが春を売っている話。R15的な。

 兄貴がどうやってあんな大金を稼いでいるのかは知らないが、きっと無理をしているに決まっている。いつ体を壊したっておかしくない。けれど陽毬のために、彼は僕以上に頑張っている。 
 だから僕も、頑張ろうと決めたんだ。
 
「はい、じゃあこれ。今日の分」
「……ありがとうございます」

 裸の男が二人。ベッドの上で交わすは睦言でなく千円札。
 ここにはレースも光も無い。あるのは闇と欲と金だけ。

「気持ちよかったよ」

 そう言って米神に一つキスを落とし、彼はホテルを出て行った。きっと家に帰れば父親らしい顔をして、幼い子どもを抱くのだろう。
 僕を抱いたその両手で。
 汚らわしい、と言える資格は僕には無い。だが、かわいそうと同情することは出来る。
 かわいそうな、子ども。
 カバンから財布を抜き取り、貰った金を入れる。そしてベッドの下に散らばった服を回収し、シャワーを浴びに浴室に入る。
 どろどろとしたものが体内から流れていくのを感じても、消えはしない。舐められ、吸われ、触れられた箇所を何度も何度も洗っても、あの感覚は消えない。
 ああ、汚れている。
 顔を上げて目を瞑り、顔面からシャワーをかける。瞼の裏に現れるのは、いつもと同じ、赤い髪の片割れだった。

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