晶馬受中心に、掌小説にすらならない指先小説やネタを放置する場所。
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どうしようもない場所から来た何者にもなれない存在。晶馬くんが幸せならいいな!とか言いながら他の人の手を借りて彼を泣かしたりボコったりしている。支部でもちょこちょこ書いてます。呟きは@umeeee02
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一次サイトであげてる奴をちょっと変えて冠晶にしたら結構面白かったので。
ヤンデレ×ヤンデレ。
陽毬ちゃんとペンギンたちの行方は不明です。
監禁とかそんな感じ。
原作どっかいった。
それでもよければどうぞ!
ヤンデレ×ヤンデレ。
陽毬ちゃんとペンギンたちの行方は不明です。
監禁とかそんな感じ。
原作どっかいった。
それでもよければどうぞ!
ここに冠葉と暮らすようになって、何年経ったのだろう。
この部屋にはカレンダーが無い。僕が最初にそんなものいらないと言ったからだ。
この四角い窓から見える桜の木々が何度裸になって、何度花を咲かせたのか数えておけばよかったのかもしれない。けれど、そんなものを憶えていられるほどの記憶力は僕には無いから。それに、年月なんて心底どうでもいいと思っていた。
今日、までは。
冠葉が帰ってきたら聞いてみようと思った時に丁度、ガチャガチャと鍵が開く音が聞こえた。
冠葉だ。
この部屋の鍵は五個ある。それら全てを開けられるのはその鍵を持つ彼だけ。そんなことしなくたって、僕はここから出て行かないというのに。
そう、一歩も。
全ての鍵が開くのを待ちきれなくて、扉まで赴く。それと同時、ジャラジャラと床と鎖の擦れる音が部屋中に響き渡った。
こんなものもいらないと言っているのに、冠葉はオプションだと言って聞かない。一体何のオプションだというのだろう。
全くもって趣味が悪いと思うけど、それが僕の大好きな冠葉なのだ。だから、このくらい我慢する。別に痛くも痒くもないし。
ピン、と鎖がいっぱいに伸びたのは玄関前。それ以上は行けない。前はここまで伸びなかったのだが、僕が冠葉を出迎えたいと強請ったら、こうやって少し伸ばしてくれた。渋々ではあったけども。
ようやく全ての鍵が開き、扉の向こう側から冠葉が現れる。僕と自分の二人分の生活費を稼いで帰ってきた、彼が。
「おかえり!」
「ただいま」
僕が手を伸ばすと、笑って抱きしめてくれる。嗅ぎ慣れた香水の香りが鼻孔を掠めてとても気持ちが良い。麻薬みたいに癖になる。ぎゅうっと抱きしめる力を強めれば、ふわっと床から足が離れた。彼が僕を横抱き、いわゆるお姫様抱っこにしたのだ。最初は恥ずかしくて嫌がっていたのだが、今では慣れてしまって抵抗するのを止めた。
どうせ、誰も見ていないのだ。
ジャラン、ジャランと床と鎖が音を立てる。
「今日は会社どうだった?」
「いつも通り。つまんねーし、馬鹿ばっかだし」
「……浮気はしてないよね?」
「当たり前だろ。お前以外興味ないんだ」
「折角モテるのにね」
まあ、例え彼が浮気をしたところで、高倉冠葉という人間はこの世から姿を消すことになるのだけど。
僕をソファに降ろし、その横にぴったりとくっついた冠葉はしゅるりとネクタイを外す。その様の色気と美しさと言ったら、きっと女子が見たら一発KO間違いなし。男の僕でさえ、くらっときてしまうのだから。
「で?何か聞きたいことでもあったんじゃないのか?」
「流石兄貴。僕のことよく分かってる」
「当然。だってお前のことだしな……あと、その兄貴ってやつやめろって言っただろ」
むすっとした冠葉の瞼にちゅっと口付けをし、「ごめんね」と言って、僕は聞こうと思っていたことを口にした。
「ここに住み始めてさ、もう何年になるんだっけ」
すると、冠葉は眉を思い切り顰め、口を閉ざした。何か悪いことでも言っただろうか。
こてんと首を傾げると、彼の手が首へと伸ばされる。そしてぎゅっと、力を込められる。
首を、絞められている。
「何?出て行きたいって?」
冷たい声音。
誰がそんなこと言ったの、と反論できたらよかったのだが、生憎段々と絞まってきた彼の手のせいで言えない。
全く、冠葉は本当、早とちりが得意なんだから。
「言っただろ。お前は一生此処にいる。此処にいて俺の傍にいて、俺だけを見てればいいんだよ」
当然だ、分かってるよ、と何とか首を縦に動かして、その拘束から逃れられた。止められていた息と同時、けほっと咳が出る。じわりと視界には水が張ってぼやけるし、首には絶対赤い手跡が残ってる。
しかし、これもまた彼の愛なのだと思えばどうってことない。程なくして落ち着いた僕は、まだ不機嫌さを露にしている冠葉の腕に絡みついた。
「違うって。最後まで話聞いてよ」
「……何だよ」
拗ねてる拗ねてる。言っちゃ悪いけれど。
嗚呼、なんて可愛いんだろう!
「僕は外に出たいなんて一度も思ったことないよ。だって此処にいれば生活は安泰だし、何より誰にも邪魔されないで、冠葉と一緒にいられるし」
「じゃあ何であんなこと聞いたんだよ」
「こないだ見たテレビで恋人同士の記念日っていうのをやっててさ、ちょっと羨ましくなっただけ」
すると、彼は目を丸くして驚いていた。美形はどんな顔をしても美しいものだなあ。僕がやったところで単なる阿呆だ。
しばらくして彼の顔はにっこりと、満面の笑みをたたえた。
「なんだ、早く言ってくれればよかったのに」
「言う前に冠葉が絞めてきたんだろ」
「悪い悪い」
さっきまで僕の首を絞めていた手が、今度は頭を優しく撫でている。どっちの手も好きだけど、やっぱりこっちの方が好きだ。
手つきがちょっとやらしいけど。
「で、何年?」
「んー。高二の時お前を中退させて此処入れたから、ま、四年目だな」
そう。僕は高校を卒業せずに此処に入れられた。あの時はかなり吃驚したのを覚えている。いつも通りに朝食を食べていたら、急に眠気が襲ってきて、目が覚めたら此処にいたんだもんな。
でもそれが冠葉の仕業だって知ったときには、別にいっかと納得してしまった。
「そっか。日にち的にはあと何日?」
「あと一ヶ月と四日」
微妙な数。ま、いっか。
「その日はお祝いしたいな。いい?」
「ああ。じゃあその日は休みとっとく」
「やった!あと、ケーキ食べたい」
「はいはい。分かった分かった」
「楽しみ!」と喜びのあまりそのまま冠葉にダイブする。彼の胸に擦り寄れば、骨が折れるんじゃなかってくらいの強さで抱きしめ返してくれた。
ああ、このまま冠葉と一体化できたらいいのに。いっそのこと喰べてしまいたい。喰べてもらいたい。そうしたらずっと一緒にいられる。仕事中でも、その心だけでなく、肉体の中にいられるのだ。
ああ、でも。
そしたらキスもできないし、セックスだって出来やしないか。
それは嫌だなと彼の首に腕を回し、そのまま首に噛み付いて。
その後キスのように、その唇に喰らいついた。
この部屋にはカレンダーが無い。僕が最初にそんなものいらないと言ったからだ。
この四角い窓から見える桜の木々が何度裸になって、何度花を咲かせたのか数えておけばよかったのかもしれない。けれど、そんなものを憶えていられるほどの記憶力は僕には無いから。それに、年月なんて心底どうでもいいと思っていた。
今日、までは。
冠葉が帰ってきたら聞いてみようと思った時に丁度、ガチャガチャと鍵が開く音が聞こえた。
冠葉だ。
この部屋の鍵は五個ある。それら全てを開けられるのはその鍵を持つ彼だけ。そんなことしなくたって、僕はここから出て行かないというのに。
そう、一歩も。
全ての鍵が開くのを待ちきれなくて、扉まで赴く。それと同時、ジャラジャラと床と鎖の擦れる音が部屋中に響き渡った。
こんなものもいらないと言っているのに、冠葉はオプションだと言って聞かない。一体何のオプションだというのだろう。
全くもって趣味が悪いと思うけど、それが僕の大好きな冠葉なのだ。だから、このくらい我慢する。別に痛くも痒くもないし。
ピン、と鎖がいっぱいに伸びたのは玄関前。それ以上は行けない。前はここまで伸びなかったのだが、僕が冠葉を出迎えたいと強請ったら、こうやって少し伸ばしてくれた。渋々ではあったけども。
ようやく全ての鍵が開き、扉の向こう側から冠葉が現れる。僕と自分の二人分の生活費を稼いで帰ってきた、彼が。
「おかえり!」
「ただいま」
僕が手を伸ばすと、笑って抱きしめてくれる。嗅ぎ慣れた香水の香りが鼻孔を掠めてとても気持ちが良い。麻薬みたいに癖になる。ぎゅうっと抱きしめる力を強めれば、ふわっと床から足が離れた。彼が僕を横抱き、いわゆるお姫様抱っこにしたのだ。最初は恥ずかしくて嫌がっていたのだが、今では慣れてしまって抵抗するのを止めた。
どうせ、誰も見ていないのだ。
ジャラン、ジャランと床と鎖が音を立てる。
「今日は会社どうだった?」
「いつも通り。つまんねーし、馬鹿ばっかだし」
「……浮気はしてないよね?」
「当たり前だろ。お前以外興味ないんだ」
「折角モテるのにね」
まあ、例え彼が浮気をしたところで、高倉冠葉という人間はこの世から姿を消すことになるのだけど。
僕をソファに降ろし、その横にぴったりとくっついた冠葉はしゅるりとネクタイを外す。その様の色気と美しさと言ったら、きっと女子が見たら一発KO間違いなし。男の僕でさえ、くらっときてしまうのだから。
「で?何か聞きたいことでもあったんじゃないのか?」
「流石兄貴。僕のことよく分かってる」
「当然。だってお前のことだしな……あと、その兄貴ってやつやめろって言っただろ」
むすっとした冠葉の瞼にちゅっと口付けをし、「ごめんね」と言って、僕は聞こうと思っていたことを口にした。
「ここに住み始めてさ、もう何年になるんだっけ」
すると、冠葉は眉を思い切り顰め、口を閉ざした。何か悪いことでも言っただろうか。
こてんと首を傾げると、彼の手が首へと伸ばされる。そしてぎゅっと、力を込められる。
首を、絞められている。
「何?出て行きたいって?」
冷たい声音。
誰がそんなこと言ったの、と反論できたらよかったのだが、生憎段々と絞まってきた彼の手のせいで言えない。
全く、冠葉は本当、早とちりが得意なんだから。
「言っただろ。お前は一生此処にいる。此処にいて俺の傍にいて、俺だけを見てればいいんだよ」
当然だ、分かってるよ、と何とか首を縦に動かして、その拘束から逃れられた。止められていた息と同時、けほっと咳が出る。じわりと視界には水が張ってぼやけるし、首には絶対赤い手跡が残ってる。
しかし、これもまた彼の愛なのだと思えばどうってことない。程なくして落ち着いた僕は、まだ不機嫌さを露にしている冠葉の腕に絡みついた。
「違うって。最後まで話聞いてよ」
「……何だよ」
拗ねてる拗ねてる。言っちゃ悪いけれど。
嗚呼、なんて可愛いんだろう!
「僕は外に出たいなんて一度も思ったことないよ。だって此処にいれば生活は安泰だし、何より誰にも邪魔されないで、冠葉と一緒にいられるし」
「じゃあ何であんなこと聞いたんだよ」
「こないだ見たテレビで恋人同士の記念日っていうのをやっててさ、ちょっと羨ましくなっただけ」
すると、彼は目を丸くして驚いていた。美形はどんな顔をしても美しいものだなあ。僕がやったところで単なる阿呆だ。
しばらくして彼の顔はにっこりと、満面の笑みをたたえた。
「なんだ、早く言ってくれればよかったのに」
「言う前に冠葉が絞めてきたんだろ」
「悪い悪い」
さっきまで僕の首を絞めていた手が、今度は頭を優しく撫でている。どっちの手も好きだけど、やっぱりこっちの方が好きだ。
手つきがちょっとやらしいけど。
「で、何年?」
「んー。高二の時お前を中退させて此処入れたから、ま、四年目だな」
そう。僕は高校を卒業せずに此処に入れられた。あの時はかなり吃驚したのを覚えている。いつも通りに朝食を食べていたら、急に眠気が襲ってきて、目が覚めたら此処にいたんだもんな。
でもそれが冠葉の仕業だって知ったときには、別にいっかと納得してしまった。
「そっか。日にち的にはあと何日?」
「あと一ヶ月と四日」
微妙な数。ま、いっか。
「その日はお祝いしたいな。いい?」
「ああ。じゃあその日は休みとっとく」
「やった!あと、ケーキ食べたい」
「はいはい。分かった分かった」
「楽しみ!」と喜びのあまりそのまま冠葉にダイブする。彼の胸に擦り寄れば、骨が折れるんじゃなかってくらいの強さで抱きしめ返してくれた。
ああ、このまま冠葉と一体化できたらいいのに。いっそのこと喰べてしまいたい。喰べてもらいたい。そうしたらずっと一緒にいられる。仕事中でも、その心だけでなく、肉体の中にいられるのだ。
ああ、でも。
そしたらキスもできないし、セックスだって出来やしないか。
それは嫌だなと彼の首に腕を回し、そのまま首に噛み付いて。
その後キスのように、その唇に喰らいついた。
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