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晶馬受中心に、掌小説にすらならない指先小説やネタを放置する場所。
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うめ
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女性
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どうしようもない場所から来た何者にもなれない存在。晶馬くんが幸せならいいな!とか言いながら他の人の手を借りて彼を泣かしたりボコったりしている。支部でもちょこちょこ書いてます。呟きは@umeeee02
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パロなら何しても幸せに出来るよね本編関係なく。
ついったで呟きまくってる妄想です。双子他人設定、年の差。
私が書いてる冠晶のなかではゲロ甘い。かなり。

冠葉
カリスマ美容師。年上。晶馬クラスタ。

晶馬
高校生。両親は海外出張中。マンションに一人暮らし。

陽毬
冠葉の妹。二人の仲を応援。晶馬大歓迎。

山下
冠葉の同僚、晶馬の幼馴染。晶馬のことは弟のように思っている。冠葉の晶馬への愛はもうどうしようもないなと悟っている。

こんな感じです。
それでもいいよ!って方はご覧ください。小話です。

 最近、赤いものに目がいくようになった。と、いうのもそれが恋人の髪の色だからだ。なんて女々しいんだろうと自分でも思うがどうにもいかない。何せ、その恋人もまた、最近青いものを身につけるようになっていたからだ。最初はピアスだった。「俺に穴を開けてくれ」とピアッサーを片手に強請られた時は吃驚した。勿論嫌がったのだが、彼はどうしてもと聞かず、穴を開けてやった。そして次の日にはその耳たぶに青いピアスを着けていたのだ。真っ赤な髪に青い石。寒色と暖色だというのに冠葉が身につけるとなんとも似合っている。どうして青色なのかというお客さんからの問いに対し、「俺の守護色なんだ」とにっこりと返す度に何度赤面したことか。だって穴を開けたときに言われたのだ。

「ここには青色しかつけない。これは晶馬の色だからな」

 ちゅ、とわざとらしく音を立てて指先にキスを送られ、その行動と言葉にあの時は死んでしまうかと思ったくらいだ。
 そんなこともあって、僕も自然と赤いものに引き寄せられるようになった。林檎、ポスト、夕日、炎。身につけられないものにまで目がいくようになってきて、もう末期だと思っている。手軽に身につけられるものといっても、ピアスは私立高校生のうちはもっての外だ。というより、冠葉が許してくれない。穴を開けてから、僕も卒業したら開けようかなとぽつりと呟いたら「お前の体に穴を開けるなんてそんなこと許すわけが無いだろ!!」と怒られてしまった。よく、分からない。「勝手に開けたら覚悟してろよ」とまで言われたのでやめておくことにして。アンクレットは革靴には邪魔だし、ブレスレットも却下。となるとリングなのだが、水仕事もするから邪魔になってしまう。何より、仕事中もかなり目立つ。だが、あれが一番手ごろなのは確かだ。
 何か方法はないかと、今日もじっとガラスの向こう側にあるリングを見つめている。とても綺麗な赤色の石が埋め込まれた、銀色のリング。これが僕のお気に入りだった。それほど高くは無いけれど、高校生にとってはかなりの額だ。両親が毎月振り込んでくれるお金は全て生活費に当てるから、これはバイト代から払うことになるのだが、足りない。今月は参考書も買ってしまった。財布の中には生活費しか入っていない。

「無理、だなぁ」
「何が無理なんだ?」
「いや、このリング……って、うわぁ!?」

 いつの間にいたのだろうか。隣に冠葉が現れた。黒のコートに身を包み、僕が編んで彼に贈ったマフラーと手袋をしてくれている。かっこいい。彼に会ってそう思わない日はなかった。気持ち悪いな、と分かっているのだが、心というのは素直なものだ。なかなか直ってくれない。
 「お前がこういうのに興味を持つなんて珍しいな」と、僕が思わずノリで指してしまったリングをじっと見つめながら言われ、それにどう答えれば良いのか悩んだ。まさか冠葉の色だから、とは言えないし、かといってプレゼントを選んでいると言ってしまえば何をされるか分かったものじゃない。以前、山下の誕生日プレゼントに定期入れを買ってあげようとしてかなり怒られたことがある。以前からそういった実用的なものを贈ってあげていたのだと言うと、彼はますます怒ってしばらくの間彼の家から出してくれなかった。

「形の無いものをやれ」

 何度も何度も説得した結果、それで折れてくれたのだ。もし、ここでそんなことを言ってみろ。あの時以上に彼は怒るに違いない。
その怒りが嫉妬からくるものだと分かっている。そのため嬉しかったりするのだが、そろそろテスト期間だ。また閉じ込められるわけにはいかない。

「今日、クラスでアクセサリーの話が出てさ。男はつけるべきかつけないべきかって」

 一番良い言い訳だな、と思ったのだが、そうはいかなかった。

「へぇ。でもお前、最近ここによく来てるよな?」
「なっ!?」

 頻繁に来ている事が知られてしまっていてはどうしようもない。何故そのことを知っているのかは分からないが、聞いたところで「晶馬のことだから」とさらりと返されるだけだろう。

「ちょ、ちょっと気になってるだけ!」
「ふぅん。この赤いやつが?」
「う……そ、そうだよ」
「……赤、ねぇ」

 にやにやとする冠葉に、「あ、気付かれてる」と悟るも恥ずかしくて自分の口からはいえない。熱くなってきた顔を晒さぬよう、ぷいっと顔を背ける。すると、冠葉はクスクスと笑って頭をなでてきた。子ども扱いはやめてほしいが、その温もりが恋しくて。止めてくれとは言えなかった。しかし、はっとここが外だということに気付き、慌てて手を除ける。

「ぼっ、僕これから買い物だから!」

 逃げるようにしてスーパーに駆け出した数分後、そういえばこの後彼の家に呼ばれていたことに気付き、どうしようかと悩むことになった。
 そんな僕のことなどお見通しだったのか、彼は買い物を済ませた僕をスーパーの出口で待っていた。そして、逃がさないと言わんばかりに強い力で冠葉の家まで引っ張られることになった。

 そして、その翌朝。彼の腕の中で目覚めた時。
 いつの間にか首にかけられていたチェーンの先に、その指輪を見つけて驚くことになるのはまた別の話。

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